第1話

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* お金ってぐしゃぐしゃじゃ使えないんじゃないかなぁ? コンビニに向かいながら、そんな疑問が浮かんだ。同時に、ヤバい事をしたという寒気が襲ってくる。どうしようこのお札まだ使える? とりあえず申し訳程度にしわを伸ばしてみる。 使えなかったらどうしよう。散々な一日――――いや、人生だ。 まだ人生を悲観するには早い? もうだいたいわかったんだって。僕が目指した理想の人生から、すでに脱線してることは。 ふと前方に踏み切りが見える。片田舎のこの町にも、機械があることに少し感動。でもどうせ電車なんて一時間に何回かしか来ないんだし要らない気がする。 おまけにこの踏み切り、開かずの踏み切りで有名なんだ。幸い、今は閉まってないけど。今日初のラッキー。 遮断機は真っ黒な空をしっかりと指差していた。
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