475人が本棚に入れています
本棚に追加
恥ずかしそうにしながら訴えてくる浩巳が言わんとしていることを理解すると、大地は楽しそうに微笑んだ。
「だってお前が止めないから」
「止めても無駄なくせに」
目を伏せ口を尖らせた浩巳の姿に目を細めると、そっと愛を囁く。
「浩巳……好きだ」
「知ってるよ」
素っ気ない浩巳の返答に苦笑いすると、懲りずに聞き返す。
「お前は?」
浩巳は直ぐ傍に感じる大地の息づかいに鼓動が早くなるのを感じながら平常心を装うと静かに口を開く。
「……好きだよ」
「知ってる」
楽しそうに自分を真似て返事を返してきた大地を上目遣いで見詰めると、浩巳はふっと笑みを浮かべた。
「いいの? 急がなくて」
「あー忘れてたっ」
ベッドから離れ再び大慌てで着替えを続行する大地を横目に、浩巳はベッドメイキングをしながら話し掛ける。
「ねぇ?」
「ん?」
「明日は何処か行かない? 映画とか買い物とか」
最初のコメントを投稿しよう!