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そんな日々に
嫉妬深い黒猫は
不安で仕方がない
だから黒猫は
狼に問う
私を
愛しているかと
狼は答える
誰よりも愛していると
そして
狼の腕の中で
黒猫は眠りに就く
狼に喰われた
少女たちを
哀れに思いながら
そう
いつだって
狼は
私を愛しているのよ
少女たちを
喰う時さえも
私を想うの
可哀相な少女たち
可哀相な私の狼
狼は
少女たちを喰う
けれども
少女たちを
愛してはいない
狼は
黒猫を愛している
それならば
なぜ少女たちを喰うのか
狼は
怖かったんだ
自分が
黒猫を愛する事で
黒猫が
壊れてしまうんじゃないかと
だから狼は
黒猫だけでは
受けとめきれない
黒猫への愛情を
どうにかしたかった
けれども
少女たちを喰っても
意味は無い
黒猫でなければ
意味が無いんだ
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