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今日も
黒猫を残し
狼は狩りに出る
独りぼっちの黒猫
寂しさと
不安とで
黒猫は
気が狂いそうだった
狼は
いつものよう
少女を喰って
黒猫のもとに
帰ってくる
黒猫は
泣いていた
狼が
理由を聞くが
黒猫は答えない
狼は
それ以上聞かずに
黒猫を抱いて
黙っていた
黒猫は
何も答えないけれど
狼は
自分のせいだと
気付いていた
けれども
もう
どうにもならなかった
黒猫を
傷つけまいと
思っても
それが出来ない
黒猫を傷つけない為には
自分は
傍に居てはいけない
けれども狼は
黒猫から
離れられない
自分が傍に居なければ
黒猫が
壊れてしまう事を
知っていたから
けれども本当は
黒猫が居なければ
自分が壊れてしまうと
気付いていたからなんだ
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