2010年4月

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いけないものを、管理する知恵 売買春は、いけない事である。この命題が、まだ辛うじて過半数の支持を得ている今の内に、この例を使って国防を論じたい。 古来、どれだけの人が、この、いけない物をなくそうとしたか知れない。だがなくならない。これは「人間」という、根底から卑しい存在の、そのまた卑しい欲に根差すから、根絶出来ない。 いつしか、人類は、この、いけないものを、根絶するのでななく、世間の片隅に封じ込めて、その片隅だけは汚れ切っても、他の場所は綺麗でいられる知恵を産み出した。 それが遊郭・赤線である。 めでたく売春防止法が戦後成立し、赤線は退治できたかと思いきや、日本中の素人娘がプチ・花魁(おいらん)化する悲劇が生じた。昔の娘は、セックスなんかとんでもない、といった。体だけが目当てなら、遊郭へ行け、と、娘は言い寄る男をはねつけた。そんな時代なら娘が首を縦に振った暁の愛は信じられた。赤線廃止は泥沼をなくす代わりに、日本中を薄ら汚した。 本題に入る。 ケンカはいけないことである。延長線上の戦争はいけないことである。ならば戦争を職業とする軍人はいけない人で、その集合体である軍隊はいけない存在である。 で、どの国もなしで済まない、いけない軍隊を法規制の中に封じ込めて、軍隊が国の命とりにならないよう、政治から分離した。 素人の援助交際より、ソープの方が警察の監督下にあるだけましなのである。 いけない軍隊をなくせば、日本中がゲリラのアジトと化ける。こうなったら手がつけられない。 戦争したんだから、日本もアメリカもいけない国である。 だが、いけないアメリカと戦った、いけない日本軍のお陰で、今の私たちは、手を汚さずに済んでいる、これだけは認めないといけない。 自衛隊を指揮下におきながら、いけない自衛隊に、いけない戦争させないため、小便に血が混じるほど外交努力して、はじめて総理なのである。
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