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どうせ、大学行けませんから
ここ数年位前から、毎年のように、ひとりか二人、こういう子が出る。
地域トップの普通科に、入れそうな子が、突然、三番手四番手の、商業科や、福祉科志望を、言い出す。
理由も、もう聞きあきた。「ウチ、貧乏で、普通科行っても、どうせ大学に繋がりません。せめて、簿記資格(介護の資格)で武装します」と。
もし、「政治家」というものに、愛があるなら、「奨学金で、お前の生活、丸抱えにしてでも、勉強は続けさせてやる。挫けるんじゃない」と、言えれば、政治家の株は上がる。子供は成長自体が仕事で、「勉強嫌いだから」「勉強より、こっちで稼ぎたいから」は、言わせても良いが、「お金ないから」を子供の口から言わせるのは、政治家の恥である。
もう、何人もみた。医師志望が看護師になり、獣医志望が、ペット・トリマーになり、それでも、最初夢見た自分に、出来るだけ近い自分になろうとする、子供たちの、いじらしさを、目の当たりにしながら、私たち私塾は、仕事をしている。
読者にも考えて欲しい。
塾の月謝が出せる家庭の子にして、この状態なら、出せない家庭の子の進学状況は、想像を絶する。
高校無償化。言葉は美しい。
だが、所得制限なきバラマキは、格差を拡大する。
富裕層で、子供が公立高校なら、授業料がタダになった分を、確実に名門予備校の学費に回せる。
だが、貧困層で、子供が私立高校なら、子供の週4回のコンビニバイトが3回で済むだけで、やはり大学受験どころではない。
さなきだに、「底辺校」と呼ばれる私立高校では、中学時代に、塾の月謝を出しそびれている内に、遅れを取った子が多い。
私立高校は、必ずしも、金持ちのドラ息子専用ではないのだ。
こんな無償化なら、奨学金の方が気が利いている。
親から、ん千万の、私的こども手当を貰える、お花満開組に、助成はいらない。
今金出してやれば、将来価値ある人材になれる、と、確信出来る子には、雨あられと、助成してやれ。
これを、専門用語で「傾斜配分」と言う。
私は、最貧困層から出た秀才に対しては、親から世帯分離して生活保護を受けさせても良い位に思っている。
そしてそれは、お花畑組向け予算を削れば、出せると思っている。
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