2010年4月

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これだけ出来れば、自民党は復権出来る。 ボクの塾は、「二十四の瞳」を夏休みの課題図書に出す。 ああ、日教組型偏向塾か、と、即断しないでいただきたい。 ボクは第一、「二十四の瞳」を反戦小説とは思っていない。 ヒロインの大石先生は、「満州は日本の生命線」とも、逆に「満蒙侵略を阻止せよ」とも言わない。ただ教え子が可愛くて、遊郭に売られた教え子にも、「富士子ちゃん、どうしてる?」と心配している。 「下士官は月給もらえるんど」と、目を輝かせて軍隊を志願した子を咎めていない。 料理屋の娘で歌に長けた教え子が、音楽学校に行きたいのに、親の反対で行けなかった。 「歌がうまい、歌の好きな子が、どうして歌を歌ってはならないのだろう」と、ただ教え子の成長を阻む物を嘆いている。 教え子の成長第一が、教師に要求される、第一の資質で、これを欠くなら、教師にならぬが良い。 私が教え子に、この小説から読み取って欲しいのは、薄っぺらな日教組型反戦ではなく、この時代の日本の、哀しいくらいの貧しさと、上級学校へ上がりたくて上がれなかった子供たちの生きざまなのである。 太平洋戦争は、日本国内で経済を回せなかった貧乏日本(当時)の、哀しい、オーラス役満一発逆転狙いの側面もある。 日本人は、新興宗教「生産教」に取りつかれた。とにかく、侵略しなくても食ってける日本を目指し、ほんの一時期だが実現し、それが続いている間は、自民党優位は動かなかった。 自民党は2つの課題をクリアすれば復権できる。 すなわち、銭だけが理由で上級学校へ行けない子をなくすことと、昨日まで働いて来た人たちを、アスファルトの上で寝かせないことである。
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