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あれから約3週間の月日が流れた。
ほぼ毎日修二と顔を合わせているけれど、秋恵との事も離婚の事も話題にはならなかった。
口にしてしまえばまた泣き出してしまいそうな修二が現れる。
そんな修二は見たくない。
もし修二が道に迷った時、俺が心の片隅に居れば話してくれるだろうと思って待つ事にした。
春を感じる暖かい日の昼頃、突然別れはやってきた。
ピンポーン
「? はいはい。秋恵? どした?」
「久しぶり」
部屋の扉を開けると秋恵が立っていた。
こんな時間に珍しいな…。
「入る?」
「うん、ちょっとだけ。お邪魔します」
「なしたの、突然」
「ちょっと報告にね」
そう言って秋恵はソファに腰を降ろした。
心なしか、少し寂しそうだ。
「報告?」
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