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「さっきの質問の答え。
多分旦那さんは戻ってくると思うよ」
「…どうしてそう思うんですか?」
「うーん…。俺の勘?」
きっと修二も俺と同じ事を感じたのだろう。
と言うか、たかが女1人の為に全てを捨てられる男なんて…。
アンタ以外に居ないと思うけどな…。
「…当たらなさそう…」
「…朋佳ちゃん、和斗と同じで失礼な奴だな」
「嘘ですよ。ありがとうございます」
「何で俺が出てくるんですか…」
俺達3人は笑いに包まれた。
笑顔になれるのは幸せな事だと思う。
『辛い時こそ笑わなくちゃね』
遥か昔、誰かが言っていた声が届いた気がした。
「何か和斗が修二さんに惹かれるの、解る気がするなー」
「ん?」
今日もまた部屋で二次会。
溢れ出した涙に乗せて気持ちの全てを吐き出した朋佳は、晴れた顔をしていた。
「人として尊敬出来るなって」
「俺も何度も修さんに救われたよ」
人を信じられなくなった時も、晴花が居なくなった時も。
修二が掛けてくれた言葉は俺の中に生きている。
初対面で今抱えている悩みを打ち明けられたのも、朋佳が修二に惹かれたからなのだろう。
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