Side 和斗  後悔

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「そっか。朋佳ちゃん帰ったんだ」 「はい。起きたら居ませんでした」 今日も店は静かだった。 流れるBGMに耳を傾けながら時計を見ると、もうすぐ日付が変わる時間。 「黙って帰ったのか?」 「置き手紙1枚で。勝手な奴ですよ」 あれから“家に着いた”とメールは来ていたが、旦那と向き合う事は出来たのだろうか。 「言葉の割に嬉しそうだけど?」 「…家出して、俺を頼って来てくれたのは嬉しかったです…」 「お!? 珍しく素直だな~」 「…何とでも言って下さい…」 意地悪な笑みを浮かべながら、修二は俺にグラスを2つ差し出した。 そのグラスを受け取り、2人分の酒を注ぐ。 結婚していた頃は仕事中の酒を控えていた修二も、今は毎日の様に飲んでいる。 「なぁ、和斗?」 「はい?」 きっと子供が急に熱を出したりしたら困るから控えていたんだろうな…。
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