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☆受信BOX 21:47 高野秋恵☆
久しぶりだね!
ようやく新しい街にも慣れて
2人で仲良くやってるよ!
かずも修も元気にしてる?
「秋恵の奴、無理してるっぽいでしょ?」
「うん…。そんな気がする…」
「“仲良くやってるよ”なんて言われちゃったら
もう何も言えなくて…」
「…そうだな」
俺にケータイを手渡し酒を流し込んだ。
修二は今、何を思ってる?
「…あきと最後に会った日さ…」
「はい?」
消えてしまいそうな声で少しの沈黙を修二が破る。
「“助けて”ってあきからメールが来て、俺が店に呼んだんだ。
夏美ちゃんから“佳春と別れてよ”的なメールが来てて怖いって」
「…そうだったんだ…」
「佳春がちゃんと別れてないんだって解って、俺があきを幸せにしようって決めた。
でもあきが“私なら大丈夫だから”
“もう修の事好きじゃない”って…」
「……」
修二のグラスを握る手が震えている。
俺は相槌を打つ事すら忘れていた。
「俺を現実に戻そうとしてくれてるんだって思ったら、心と言葉が違う事解ってたけど別れに同意するしかなかった…」
「……」
「…初めて修二って名前を呼んでくれたのに…。
大丈夫なんかじゃない事解ってたのに、俺があきを手離したんだ…」
「…修さん…」
一筋の涙が修二の頬を流れてゆく。
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