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あどけない淑女に二人も立ち上がり挨拶を返す。
そのまま、ソロルが夫人に礼を述べた。
「お食事、大変結構でした。
心のこもった歓迎に本当に感謝しています。
ですが、明日からはこの半分の量で結構です。
僕もアルシュも粗食に慣れていますので。」
ソロルに続いてアルシュも食事の礼を述べ、明日、この領区の保安部隊本部へ案内してもらうことなどを話す。
香り高いお茶とお手製の焼き菓子に、気持ちがほどけていく。
話が弾みかけて、しかし二人は早々に切り上げることにする。
話の途中から、イブリンが、口の周りに焼き菓子の食べかすをつけたまま、母親の膝の上で船を漕いでいた。
平和の象徴のような無垢な寝顔が、あたりをほのかに照らして暖めている。
二人は足音を忍ばせて食堂を後にし、寝室として提供された客間に向かった。
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