77人が本棚に入れています
本棚に追加
「いいか、ここに毛布あるから。
それから、俺の小さくなった服持ってきた。
あとで身体拭いて着替えろよ。お前、臭うぞ。
食事は、まあ、今後もなんとかしてやるよ。
あと、井戸には勝手に行くなよ。飲み水は俺が適当に汲んできてやるから。
それから、とくに家庭教師のエレノアに気をつけろよ。
黒髪の気取った女だ。あいつはいつも変に鼻がきくから。
昼間は絶対出歩くなよ。いいな。」
返事は無い。
「おい、聞いてんのか?」
のぞきこむと、ディコンはすでに食べ終え、壁にもたれかかって眠っていた。
見かけより相当、衰弱していたのだろう。
死んだように眠っている。
ルシエルはその身体を毛布で包み、横たえてやった。
そして自分の甘さに苛立つように、一度舌打ちをした。
最初のコメントを投稿しよう!