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丸一日眠り続けたディコンは、翌日の夕方目覚めた。
ディコンの寝覚めは絶叫からだった。
叫び声をあげて飛び起き、嘔吐の後のような荒い呼吸を必死で整える。
しばらくして少し落ち着くと、腕で額の汗をぬぐう。
両手を顔の前に広げ何か確認すると、ほうっと安堵の息を吐く。
「お前、次大声出したら、本気で殴るからな。」
冷ややかな声がして、近くにルシエルのいる気配がある。
燭台はすでに灯されている。
「す、すみません。捕まった夢みたんで。」
「ふうん。で、その手は何だよ?」
「ああ、俺、『お仕置き』の時はよく手をやられたんですよ。
俺の場合、体に傷作るとやっかいじゃないですか、だから。
両手を握りこぶしにして床に置いて踏み潰されるとか。」
ルシエルは眉根を寄せる。
「あと、こう、お祈りみたいに組み合わせた指に、互い違いに細い針金引っ掛けて、力まかせにぎゅうっと引っ張るとか。
‥‥痛いっすよ。
関節反対に引っ張られるし、針金食い込むし。
あとで手全体が腫れあがって、二日三日は、便所で用足すのもままならないくらいっすよ。」
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