第4章 いびつな双子

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「お前に捜索願出されてるか調べてきたけど。やっぱ出てるな。 捕まえた場合の謝礼金、結構な額だぞ。 お前、懸賞金かけられてるってわけだ。」 ディコンは食べる手を止め、ぎゅっと両手を握り締める。 ルシエルは考えをめぐらせるように腕を組み、続ける。 「今の話では、やっぱり普通の労働契約じゃない。 違法な人身売買だな。 あと、この領区に入るとき、検問審査官に旅券を見せたか?」 「けんもんしんさかん、て、なんすか?」 「旅券、持ってないのか? 身分証明。 ‥‥無いよな。 人身売買で買った人間の分なんて用意できるわけないよな。」 「領区またぐ移動の時は、俺たちはみんな集められて一番奥の檻に入れられて『夜行性の猛獣だから、陽に当てると騒ぐから』とかなんとか言って外側に黒い布掛けられるんですよ。」 「あとは袖の下使ってスルーか。」 ルシエルは納得がいったようにうなずいた。 「なるほどな。だから、お前の捜索願は非公式で出てる。 向こうも後ろめたいからだろ。」 「ひこうしき、だとなんなんですか。」
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