77人が本棚に入れています
本棚に追加
「だいたい、俺のすることなんて、最終的にロクなことになんないんすよ。
だからまぁ、せいぜいあんたの役に立ちますよ。
あんた、俺より頭良さそうだし。」
「この星空の下に居場所無しか‥‥みじめだな。」
そして、同じように自嘲する。
「お前、俺に似てるかもな。」
ディコンは不思議そうな顔をしてルシエルを見る。
「あんた、俺とは違うじゃないすか。」
そして、意を決したようにルシエルに向きなおる。
「あんたのほうが問題でしょ。
あんたいいんですか? こんなことして。」
ルシエルは黙る。
「金持ちなんですよね。いいとこの跡取り息子なんですよね。
どうしてこんなこと‥‥。
下手なことしなけりゃ、立派な人生が約束されてんのに。」
黙って聞いていたルシエルの顔にさっと赤みがさす。
怒りに目が細められる。
「お前、俺に説教するのか。
俺にいい子にしてろって言うのか。
もうたくさんなんだよ!」
声量を抑えたままうめくように言ったかと思うと、獰猛に襟首をつかみ、ディコンにのしかかる。
最初のコメントを投稿しよう!