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「お前だって檻に閉じこめられてたんだろ?
自由が欲しかったんだろ?
そのくせ俺には、檻の中へ戻れって言うのか?」
「じ、じゃ、何のために?
懸賞金がどうとか言ってたけど、ほ、ほんとの目的は金じゃないですよね。
あんた、金に不自由なんてしてませんよね。」
ルシエルの手から力が抜ける。
ディコンがあわてて逃れる。
ルシエルは一つ息を吐き、乱れた前髪を後ろへやって、がくりと尻をつく。
両足を前へ投げ出し、もう一度ぼんやり屋根からのぞく端切れの夜空を見上げる。
「‥‥復讐、かな。
いや、ひょっとしたらその反対なのかもしれないけど。」
月光を浴びてつぶやく顔が、いつになくはかなげに見えて、ディコンは胸が騒いだ。
二度目の強盗事件が起こる。
「じけいだん、てなんすか。
俺に向かって矢を射かけるとか、ひどいですよ。」
帰ってきたディコンが外套を脱ぎながら、ぶつぶつ文句を言う。
「スリルあって面白かったろ?」
ルシエルが、上機嫌でその頭をくしゃくしゃ撫でる。
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