第4章 いびつな双子

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そして、今に至る。 「あんた、俺の味方なんすか? 敵なんすか?」 うんざりした様子のディコンに、ルシエルがくつくつ喉を鳴らして笑う。 「ちゃんと狙いは外しただろ? 俺の腕を信用しろよ。」 「だったら先に説明してくださいよ。 心臓止まるかと思ったんですから。」 拗ねてそっぽを向いたまま、それでも戦利品の入った頭陀袋をルシエルの鼻先に突きつける。 「もう‥‥俺は要らないのかなって。 ここで使い捨てにされるのかなって、思ったんですから!」 ディコンの声に悲痛なものが混じる。 「お前の安全のためだよ。 俺以外の人間に、お前の後を追わせないために決まってるだろ。」 なだめるように言って、ルシエルが袋を受けとり中身をあらためる。 実際、ルシエルは「自警団の打ち合わせ」と称して保安部隊本部で隊員の配置場所や巡回ルートを聞き出し、ディコンの逃走経路を緻密に計算していた。 そうでなければ、いくらすばしこいとはいえ、街の地理に疎いディコンが、こうもうまく逃げられるわけがなかった。
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