第4章 いびつな双子

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「ロビン・ガリューか。お前も見てただろ? 外傷もない、ただ気を失っただけだ。」 「俺、力が強すぎましたかね。」 「あの場合はしょうがないだろ。 俺がやるわけにいかなかったし。 家の外で水ぶっかけたらすぐ飛びおきて、ぴんぴんしてたよ。 父親が付き添って帰った。気にするな。」 ディコンは安心した様子で着替えを進める。 「それより、エリオットと親父にずいぶん抵抗されただろ。 大丈夫だったか?」 「ああ、あれは楽勝っす。 獲物は短剣ですしね。 リーチも手数も俺のほうが上なんで。 エリオットのほうは弓も使いましたけど、射かけられるのも慣れましたしね。」 嫌味っぽく付け足す。 「だいぶ切っただろ?」 ルシエルが、血の染みたシャツを取りあげ、あらわになった背中と腕を心配そうに見やる。 ディコンはあわてて前向きになってへへへ、と笑う。 「うまくいったんで、これでいいんすよ。」 「ちゃんと休めよ。」 「何言ってるんすか。 日がな一日、ほとんど休んでるんですよ! ほかにすることないし。」 「口がへらねぇな。」
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