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微笑を浮かべ、幸せそうな顔をする彼女。
私の記憶に残る、悲しそうに俯いて首を振る彼女とはあまりにも違っていて・・・
彼が、彼女を連れて行ってしまった。
私は、直感的にそう思いました。
よく見れば、刀傷に比べて、地面に流れる血の量が少ない。
ここではないどこかで殺され、彼女だけがここに放置された。
では、彼はどこに?
・・・・・考えても仕方ありません。
彼女は、死んでしまった。
身寄りもないはず。
ならば、せめて私の手で葬ってあげましょう。
彼女の頬を、指でひと撫でする。
・・・・・彼女の心は最後まで私のものにはなりませんでしたが、せめて体だけは私が。
追いついてきた新八さんに後片付けを手伝ってもらい、冷たくなった彼女を抱き上げると、光縁寺に向かった。
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