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「みゃう」
足元に、黒猫が寄ってくる。
ナツがその頭を撫でようとしゃがんで手を伸ばすと、すっと、避ける猫。
残念。
慣れてないのかな?野良猫?
しばらく猫を見ながら、ぼーっとしていると、後ろから声がかかる。
「ナツさん・・・?」
「沖田さん・・・。」
振り向くまでもなく、その相手は沖田である。
「何、してたんですか?」
「猫、見てました。おいで、クロ。」
ナツは、触ることのできない黒猫に手を伸ばす。
「ぷっ、クロって・・・。まんま、ですね。」
「何が言いたいんですか?」
ようやく沖田に顔を向けた、ナツの片眉が上がる。
「もう少し、ひねりが欲しいです。」
「じゃあ、沖田さんなら何てつけるんですか?」
「そうですね・・・、ねこ、かな。」
コテン、と首を傾げる沖田。
「・・・・・それ、私よりひどいと思います。」
「ぷっ」
「くくっ」
「「あはははははははっ」」
顔を見合わせながら、お腹を抱えて笑う二人。
何から話そう、なんて、気まずさを感じることもなく、二人の会話は始まった。
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