182人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっと、見つかったんです。」
そして、意を決したように、沖田は話し出す。
「聞いてください。あなたが捕らえられたと聞いて、わかったことがあるんです。」
彼は、一体何を話そうというのだ?
熱っぽく潤む彼の瞳を見つめているうちに、ナツの中にひとつの予感が芽生える。
まさか、もしかして・・・?
ううん、そんなはずは、でも・・・。
「ナツさん・・・。私はあなたを、あなたが、す・・」
沖田の言葉は、最後まで声にならない。
ナツがそっと人差し指を、沖田の唇に当て、首を振る。
「・・・全部思い出したんです。私。故郷には、親も・・・そして恋人もいます。
だから、その先の言葉は聞けません。」
最初のコメントを投稿しよう!