9. 約束

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「やっと、見つかったんです。」 そして、意を決したように、沖田は話し出す。 「聞いてください。あなたが捕らえられたと聞いて、わかったことがあるんです。」 彼は、一体何を話そうというのだ? 熱っぽく潤む彼の瞳を見つめているうちに、ナツの中にひとつの予感が芽生える。 まさか、もしかして・・・? ううん、そんなはずは、でも・・・。 「ナツさん・・・。私はあなたを、あなたが、す・・」 沖田の言葉は、最後まで声にならない。 ナツがそっと人差し指を、沖田の唇に当て、首を振る。 「・・・全部思い出したんです。私。故郷には、親も・・・そして恋人もいます。  だから、その先の言葉は聞けません。」
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