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沖田さんの温もり、匂い。
ちゃんと覚えておこう。
今だけ、時間が止まってくれればいいのに。
・・・だけど、そんな都合の良い願いが届くわけもなく。
「コホッ、コホッ。」
乾いた咳が沖田の口から漏れ、慌ててナツから離れた。
「・・・?」
「うつしてしまったら、困ります。」
哀しそうに笑う沖田。
・・・もしかして、彼は、自分の病気に気づいてる?
「まだ、風邪治らないんですか?ちゃんとご飯食べて、薬飲んで・・・」
我慢していた涙が、ナツの瞳からこぼれ落ちた。
沖田の指が、そっとその涙を掬い取る。
そして、そのままナツの頬を手のひらで包む。
「約束、しませんか?」
「何を?」
ナツが、首を傾けて、先を促す。
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