9. 約束

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「いつも笑顔でいるって。」 沖田が笑う。 「私は、あなたの笑顔が好きなんです。だから、笑ってください。」 その言葉に、ナツが下手くそな笑顔を作る。 「じゃあ、沖田さんは、諦めないことを約束してください。」 「何を?」 「・・・・・生きることを。」 強く輝く瞳で、沖田を見る。 「相手が何であっても、戦い抜いてください。」 「例えば?」 沖田が、目を瞬かせる。 「鬼・・・とか?」 『病』と言いそうになったのを、必死に飲み込む。 「また、無茶言ってくれますね。どこにいるんですか、鬼なんて?」 「・・・鬼が島、かな?」 苦し紛れに、ナツの口から出た言葉。 「桃太郎ですか?私は。」 沖田が吹き出す。 ぽんっと、頭に浮かぶのは、原田犬に、永倉猿に、平助雉。 目尻にたまっていた涙を、笑いの涙にそっとすり替え、指でぬぐいながら、ナツも思い切り笑った。
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