9. 約束

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そして、どちらからともなく差し出される小指。 「指きり、ですね。」 「約束、忘れないで下さい。」 「沖田さんも。」 いつまでたっても、切れないまま、つながれた小指。 そこへ、近藤、土方との話し合いが終わった先生がやってくる。 互いに目を合わせて、無言で小指を離す。 そして、ナツは沖田に笑いかけると、先生の下へ駆けて行った。 さよならの言葉も、またという言葉も残すことなく。 後ろを振り返ることもなく、黙々と歩き続けるナツ。 勢い良く運ぶ足の歩みが、だんだんと遅くなり、ついには止まる。 「先生、せんせっ!私もう、沖田さんに会っちゃだめなんだって・・・。  うわぁぁぁんっ!」 ずるずると膝が落ち、ナツは先生の足にすがり付いて泣き崩れた。
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