1. 終わりの始まり

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「報い?」 女が問う。 「ええ。ある人が、私に教えてくれたんです。」 『不思議なことに、命の帳尻って、ちゃあんと合うことになっているんですよ。 ・・・・いつか報いは来るんです。』 彼女の言葉が蘇る。 「人の命を奪う、それは、とても重いものなんですよ?あなたに、私の命が背負えますか?」 静かに、総司は女に問いかける。 私はもう、どれくらいの人を殺してきたのでしょうか? ・・・・・最初に、この手を血で汚したときのことは、今でも鮮明に覚えているのですがね。 キュルキュルと、時計の針が逆回転するように、思考が過去に戻ってゆく。 「私の屍を乗り越えて行くが良い!」 どうやったら、返り血を浴びないですむか。 どうやったら、相手を苦しませずにすむか。 そんなことを考える余裕なんて、全くなかった。 ただ、目の前の相手を殺さなければならない。 それだけに必死。 激しい雨の音が響く。
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