3. 池田屋回想

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一応調書をとる必要があるため、死体の検分には永倉を向かわせた。 「ついでに、町の様子も見て来い。」 池田屋で、左指に怪我を負っていたため、残党狩りに加わることができず、永倉は屯所で待機していた。 彼は、いささか退屈を持て余していたため、土方の指示に従い、勇んで出かける。 二条大橋下の河原に横たわる死体。 囲む野次馬をかき分け、側による。 かけられた筵から、白く細い腕がのぞく。 「女?」 いぶかしげに眉を寄せ、筵を剥ぎ取る永倉。 身体中に見られる刀傷。 致命傷は、背中からの刺し傷、か。 うつ伏せになっていた身体を、表に返す。 「!」 青白い顔。閉じられた瞳を被う長いまつげ。 口元に、うっすら微笑みを浮かべる まるで、幸せな夢を見ているような表情。 ・・・・・・こいつぁ? つい、先日まで屯所にいた女。 火事の中左之に助け出され、何日間か尋問のために留め置かれていた。 「また、後で」 総司の横で微笑んでいた、美しい女。
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