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山崎が彼女を追った後、正体のわからない男たちが現れ、彼女を助けて連れ去ったと聞いた。
土方に指示を受け、巡察の際にも、その行方を追っていた。
どうしても、その後見つけることのできなかった女は、変わり果てた姿で、横たわっていた。
「こりゃ、土方さんに報告しないと。」
永倉は、遺体に手を合わせ、筵をかけなおすと、屯所に急いで戻る。
そして、山のように積みあがった書類と格闘する、土方の部屋へ向かう。
「どうだった?」
煙管をふかしながら、土方は、永倉の報告を促す。
部屋に、煙が漂う。
「彼女、でした。」
「彼女?」
片眉を上げ、いぶかしげに問い返す。
「先日までここにいた、桜庭さんです。」
「何だと!!」
土方が声を上げると、障子の外で気配が揺れる。
「誰だ?」
開け放った先に佇んでいたのは・・・
「総司!」
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