3. 池田屋回想

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「お前、身体はもういいのか?」 心配する永倉の問いかけを無視して、沖田はその腕を掴む。 「彼女は?彼女はどこに?」 「あぁ・・・?二条大橋のたもとだ。」 沖田は身を翻し、走り去る。 「待て!総司!!」 「?」 「ばか、早くあいつを追うんだ!」 永倉にはわけがわからない。躊躇していると、土方の怒声が飛ぶ。 あわてて、沖田の後を追って走ってゆく。 「こんなときに見つかるなんて、な。事件に巻き込まれたか?」 誰もいなくなった部屋で、土方はつぶやく。 感傷にふけっている場合ではないことを思い出し、仕事に戻る。 調べるのは後だ。 今は、上への報告書を書き上げるのが先決である。 煙管をふかすと、煙を目で追い、一瞬だけ瞑目する。 後ろを振り返っている暇はねぇ。俺たちは、これから前に進むんだ。 次に目を開けたときには、女のことは頭から消えていた。
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