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剣の型なんて、そんなものは役に立たない。
やたらめったら刀を振り回し、めちゃくちゃに斬り込む。
狭い室内で刀を振ることは初めてで、鴨居に刃を食い込ませてしまう。
酔っていたとはいえ、仮にも相手は局長。
その隙を見逃すはずもなく、刀を振りかざします。
・・・・・土方さんがいなければ、私はきっと殺されていた。
刀を短く持ち直し、改めてかかっていこうとした時、彼を庇うように、女が飛び出してきました。
「どいてください。」
思わず口から出てきてしまった言葉。
彼女には、それで私が誰かわかってしまいました。
覆面の意味がありません。
「なぜ?おき・・・」
驚いた表情をし、私の名前を途中まで口にした彼女は、土方さんによって斬り捨てられました。
同じ覆面をした顔からのぞく目が、私に訴えます。
『ここで、正体を知られるわけにはいかねぇ』
・・・・・あくまでも、彼らは外部の者の手によって殺されなければならない。
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