1. 終わりの始まり

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部屋に戻ったものの、私は眠ることなんてできず、雨の降る庭へ出ました。 人目につかない場所を見つけ、木に背をもたれて地面に座り込み、自らの震える手を見つめました。 近藤さんたちが、京へ行くから、私も一緒についてきた。 武士になる。 将軍をお守りする。 そんな大義名分を、私は抱いてはいない。 ただ、また置いていかれるのが嫌だったんです。 人の命を奪うには、あまりにも軽すぎる理由で・・・・ 私は、どこへ向かって進んでいるのでしょうか? 天を仰ぎ、雨が、私の手に付いた血も、記憶も、全てを洗い流してくれることを願いました。 木の下にうずくまる黒猫が、闇と同化して、そんな私を見つめていました。 緑に光る目で。
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