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「沖田さん?」
枕元に座る女子が、私の顔を見つめています。
なぜ、彼女はここにいるのでしょうか?
いつも私の世話をしてくれるのは、老婆だったはずなのに。
若返る、わけないですよね。
一体彼女は誰でしょう?
うまく働かない頭で考え込んでいると、女が話を続ける。
「なぜ、病に絶望し、自らの命を絶とうと考えないのですか?
刀も握れず、組の役にも立てず、ただ死ぬのを待つだけの日々の中で、あなたを支えるものは何でしょう?」
沖田は、女に向き直る。
そして、女が手にする短刀に気づき、軽いめまいを覚える。
「その刀が、なぜここに・・・?」
光の加減だったのか。
女の目が、緑色に光った。
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