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優しさの証を手に入れるために、私は赤い電車に乗り込んだ。
そう認めてしまえば、不思議と心が軽くなった気がした。
朝から降り続いた雨のせいで、オレンジ色の床はすっかり水浸しになっていて、歩く度にキュッキュッと不愉快な音を立てる。
なんで今日に限ってこんな天気なのか。
窓から見える厚い雲に小さく文句を放つと、私はゆっくりと座席に腰をかけた。
京急川崎駅を出発した快速特急電車は、物凄いスピードで次々と駅を通過していく。
だが、目的地の追浜にたどり着くまでは、まだいくらか時間がある。
心地よく暖かいくつろぎの空間は、私に自分の気持ちを整理する余裕を与えてくれた。
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