第3話

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それから数日、私は体調不良と戦いながら、仕事をこなし、家事を手伝い、赤ちゃんを思っていた。 悪阻が辛いのは、それだけ赤ちゃんが育ってる証拠。 でもそろそろ治まってほしいな。産まれるまで終わらないパターンだったら頑張れないよ…。 そして月曜日 今日は彼と一緒に初回検診。私は車酔いの吐き気を抑えながら、受付を済ませて二階に上がった。 「城内さん、城内結香さん」 少し待つと、いつもの様に名前を呼ばれた。 「はい、それじゃあ奥に」 「はーい」 私は内診を済ませ、ベッドに寝かされた。 そしてエコーでお腹の中の様子を診た。 「5cm位かな」 少し大きくなってる。それから心音を聞いて、DVDの録画が終わった。 「じゃあ、この後は向かいの部屋で助産師から、今後の栄養管理などの話がありますから」 「はーい」 私達は診察室を出た。 しばらく待つと、いつもとは違う扉から呼ばれた。 「あ、旦那さんは外で待っててください」 彼は当然の様に一緒に入ろうとしたけど、こっちには入れないみたいだ。 私は一人で部屋に入り、扉を閉めた。 「では体重計に乗ってください」 私は置いてあった体重計に乗ると、44.90と出た。通常より少し増えている。 「普段はどれくらい?」 「42kg位ですね」 「じゃあ細めなので、あと9kgくらいは太っても大丈夫だよ」 1ヶ月に1kg位の計算か。 「太り過ぎると、産まれるときに、産道が狭くなって大変だから、外食とかは気を付けてね」 「はい」 そのあとも、いろんな説明をされたけど、吐き気が酷くなって、それどころじゃない。 「大丈夫?具合悪い?」 「うぅ…気持ち悪い…」 「あ、じゃあ血圧だけ良い?」 私は血圧を測定し、看護師さんに連れられて、隣の部屋に移動した。 「良くなるまで、しばらく横になっててください」 「はい」 「良くなったら、ナースコールして下さい」 私はリクライニングチェアに横たわり、目を閉じた。 しばらく休むと、起き上がれそうだったので、ナースコールをした。 「もう大丈夫ですか?」 「だいぶ」 私は部屋を出て、彼の元に行った。 「ごめん、お待たせ」 「どうした?大丈夫?」 「うん、会計したら帰ろ」 「うん…」 彼は心配そうだったけど、私はなるべく明るく話して、それ以上心配しない様にした。
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