第3話

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月曜日 私はショッピングモールの中の、ジュエリーショップ『ツツミ』に来ている。 店内には、たくさんの指輪が並んでいる。 私はとりあえず、サイズを確認した。 「6…?7が良いな」 6号だと抜けなくなりそうで怖いから、少し弛いけど、7号が良さそうだ。 「俺は16かな?15は怖い」 彼も同じ様に、15号が抜けなくなりそうで怖いから、16号にする様だ。 「節があるから、結構でかくなるんだよね…」 「分かる!私も関節が太いから、大きくしたの」 それがなければ、指全体が細いのに。 「どんなのが良い?」 「うーん…あんまり派手じゃないのが良いな…」 私達はペアリングのケースを端から見た。 種類は色々あるけど…やっぱりアレが良いな…。 私はやっぱり、広告で気に入ってたやつが好きだった。 でもな…。 「どう?」 「うん…」 私はそれを視ていたことがバレない様に、他に視線を泳がせた。 「何かお探しですか?」 女性の店員さんが声をかけてくれた。 「ペアリングなんですけど…」 「ペアリングでしたら、こちらなんかオススメですよ」 彼が答えると、彼女は可愛い指輪を出した。 二つ合わせると、柄がハートの形になる。 たぶん彼はこういうの、恥ずかしいって言うと思う。 「おお…」 案の定、若干引いてる。そのあと、いくつか見せてもらったけど、どれもピンと来ない。 「他のお店も見てみる?」 「うん…」 彼は私があまり乗ってないのを感じてか、店を移動した。 でもやっぱり、何か違う。一目惚れすると、そんなもんなのかな? 結局私達は、何も買わずに帰宅した。 「頑張ってサプライズにして」 「はい、頑張ります」 私は籍を入れるまでに、頑張ってサプライズしてもらうことにした。 そして季節は12月を迎える…。
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