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「僕と部活をしよう」
────東雲、唯。学園一の、変人。
放課後の屋上。二人きりの男女。
青春真っ只中の高校二年生に取って、このワードは憧れのシチュエーションを並べたかのよう。俺の胸はドクドクと鼓動を高速で打っている。
漆でも塗ったのかと疑うほど艶のある黒髪。腰の辺りまでまんべんなく伸ばされている。
パッチリと開かれた深紅の瞳。顔のパーツは非常に整っており、THE・『美少女』。この先輩に呼ばれただけで、宛先を何度も確認した位だ。
「僕は退屈だ。この学園という閉鎖空間の中で────────丸二年生活して、気付いたんだ」
僕、という一人称はかなり印象的だ。かなり珍しい。変人と呼ばれる理由の一つにこれがある。
「僕の青春には色気が足りなかったんだ」
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