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このご時世、どんな人にも確実な明日なんてない。
それは例外なんてない。
セレブ御用達で有名な老舗ジュエリーショップが、買収されたのは3か月前。
そんな話、今どき珍しくも無いけれど、買収元が外資系だったこともあって少し話題になったニュース。
だけど、世界の時間は絶えず先に進んでいて、次から次へとセンセーショナルなニュースが舞い込んでくる。
すっかり世間の記憶から消えた頃、私に一本の電話がかかって来た。
正直、電話の相手が言ったその会社名にピンとこなかった。
呼び出されて諸手続きをした後に会社概要を見て初めて「あー、あの会社」と思ったんだ。
手続きが終わってから会社を知るなんて順序が逆だけど……
ハケンなんてそんなもんでしょ。
生涯その会社に骨を埋めるわけでもないし、それを求められてもいない。
契約期間が過ぎたら赤の他人。
愛着なんて湧くわけもない。
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