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「……ふぅ」
落ち着かせるように、息をゆっくり吐く。
エネという少年には胸をくすぐられる程の可愛さがあり、いくら人間観察の為でも緊張してしまう。
「……よし」
意を決して、橙空は襖を開けた。
襖の向こうには、六畳ほどの和室に、膝丈ほどの和服を纏った金髪の少年が、深々と頭を下げていた。
「濡鴉、エネでございます。今宵は、この私の身体を弄び、存分に満たして下さいませ……」
そんな口上を述べて、少年は下げていた頭を上げる。
そこで橙空は、改めて彼の顔立ちを見た。
赤みがかった瞳に、少女と見間違う中性的な顔立ち、橙空と同じ白い肌。そして、透き通ったような高い声。
「(……やばい。ちょっとキュンとなりそう)」
魔法少女・橙空も、
エネに惹かれていた。
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