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青梅街道は渋滞したまま車は一向に流れない。
良介は鍋屋横丁の交差点で左折して住宅街に入った。予定変更である。
何より初子が心配だ…
…果たして長時間の緊縛に耐えられるものかどうか、まずは家の中で試してみようという初子に促されるまま良介は初子に縄を掛け口にハンカチを詰め…と、そこまでは既に何度となく試したことだったがそこから先は良介にも初子にも未知の領域だった。
「今、10時半だからとりあえず4時半まで耐えられたら合格ね。」
猿轡が口を封じる前、初子はそう言って良介に目覚まし時計をその時刻にセットさせた。
この道を行けば善福寺川に出るはずだった。そうすれば平日のこの時間帯なら和田堀公園か善福寺公園のどこかあまり人目につかない木陰で車を停められるだろう…
ありがたいことにこっちの道は全然混んでいない。さっきまでの渋滞が嘘のようだ。難なく環七通りを越えて和田堀公園の裏にたどり着いた。
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