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雨が降りそうな天気だった。
週末土曜日、交際して間もなく三年になる崇の姉の出産祝いを二人で買いに行った帰り道。
夕食はあたしの部屋で手料理なんかを楽しむ予定で駅の地下で買い物をしようと地下に降りようとしていた時だったと思う。
突然の事だった。
「転勤になったんだ。」
・・・・・・
「今まで・・・ありがとう」
・・・・・・
・・・イママデ・・・アリガトウ・・・・・・・
いや、ちょっと待って。
今、お姉さんのお祝いを一緒に買ったばかりで。
会ったことないけど、会いたいなって話してたばかりで。
転勤だから・・・・サヨナラ・・・って、なに・・・
あたしって・・・その程度だったの・・・あたしとの三年って・・・・・
「・・・・・えっ?!」
頭の中では、色々聞きたいことや言いたいことや錯綜していたんだけど、言葉になったのは、なんとも間抜けな一言で。
何か一言、二言、やりとりをしたのかもしれない。あまり記憶は定かではなく。
崇は、三年近く付き合っていた崇は、あっけなく、あたしの前から姿を消した。
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