01 日常の変化

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そう言って悔しそうに顔をしかめながら、塚本さん達のテーブルに視線を流す。 私も釣られてそちらに目をやると、楽しそうにはしゃぐあゆちゃんが映った。 二回目に話したとき、あゆちゃんがシュン君のことを好きだと知ったらしく、三回目には塚本さん達のメンバーにシュン君が加わっていた。 「姫乃さ…さっきのああいうの、女の子として嬉しいと想うけどさ、気を付けなよ?」 「えっ?」 「会話に慣れさせたところで女の子のツボを押さえたボディータッチ。 あゆみを手懐けてるあたり侮れない。 気に障ったらごめんね。 もしも、姫乃が遊ばれたりしたらあたし嫌だから…。」 眉尻を下げてそう言った彼女は、相変わらず可愛い。 心配してくれてるのがひしひしと伝わってくる。 「えへへっ、莉子ちゃんありがと! 確かに私女の子扱いみたいなの慣れてないし、ビックリしてドキドキしたりしちゃうけど、大丈夫だよ! 塚本さんみたいな人が本当に私に興味があるなんて思わないしね。」 思い出すとまたドキドキする。 だって男の人に頭を撫でられるなんて初めての体験だったから。 私には父親がいないから、本当に初めてだった。 男の人ってあんなに手が大きいんだ…。 「姫乃は自分で思ってるよりすごく魅力的な女の子よ。だから、あんまり悲観的にならないの!」 塚本さんが撫でたのと同じところを、よしよしと撫でながら励ましてくれた。 中学の頃友達のいなかった私に、こんなに優しい友達ができるなんて思わなかった。 そんなことを考えながらこの日は家路についた。  
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