01 日常の変化

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中間テストも終わりみんな気の抜けた表情の6月。 もうすぐ夏服に変わる季節でもあり、クラスの雰囲気もダラダラモードから夏独特のキラキラモードに変化してきていた。 「ねぇ姫乃! 今日からバーガーの新発売出るんだって!久しぶりだし今日帰りに寄らない?」 莉子ちゃんはどこから持ってきたのか嬉しそうにチラシを抱えている。 「あゆみも行くー! シュン君にメールしとこっと♪」 話が聞こえていたのか、携帯をかちゃかちゃと動かし始めた。 どうやら二人はデートに行ったりする仲になったらしく、私からみるとラブラブに見える。 シュン君さんが来るなら、塚本さんも来るのかな? ふと、そう思ったら頭に手の感触が蘇ってきて少し恥ずかしい。 ちょっとだけ緊張してしまう。 「あらら?もしかして姫乃塚本のこと考えてる?」 「ちっ違うよ!」 そんなことをからかわれながら、気づけばもう放課後。 私達は荷物を纏めると、足早に歩くあゆちゃんに合わせていつものお店に向かい始めた。 ぽかぽかした初夏の日差しや、頬をすり抜けていくまだ涼しい風が気持ちいい。 こうやって季節が変わるように、私の回りも少しずつ移り変わっていく。 それが当たり前だったことに今更ながら気がついた。  
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