01 日常の変化

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「姫乃進路希望まだ書いてなかったの?」 仲良しの莉子ちゃんが隣の席から顔を出した。 「うーん…進路って言われても、何になりたいとか無いから焦ってきちゃって。」 お気に入りのシャーペンを握りながら、肩を落としていると、伸びてきた手に頭を撫でられる。 「仕方ないよ! 先生たち急に大学は?学部は? って騒ぎ出しちゃうんだもん。」 よしよしと言いながら頭を撫でてくれるのは、同じく仲良しのあゆちゃん。 二人とも同じクラスで、いつも一緒にいる。 「ありがと。 もう少し、考えてみるね!」 肩を落としたまま答えた私に、二人とも微笑んで返してくれた。  
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