01 日常の変化

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__________ 「はい?今なんて言った?」 ファーストフード店の中に莉子ちゃんの声が響きわたり、店内の人達からかなり注目を集めてしまっている。 この辺りにはいろいろな高校が密集しているため、今の時間は学生でごった返していてすごく恥ずかしい。 「だからね、恋しちゃったの♪」 そんな視線も無視して話を進めるあゆちゃんが、携帯を握ったままえへへ、と笑った。 「あゆみこの間サッカー部の中田先輩が好きとか言ってなかった?」 ため息を吐く莉子ちゃんを置いて私はすかさず会話に交じる。 「どんな人?高校生?」 そう聞くと、頬を赤く染めて頷いた。 「うんっ、高校生! 電車でねー、一目惚れしたのーっ♪」 「電車?じゃあ名前も知らない奴なわけ?」 怪訝そうな表情を浮かべて睨んでいる莉子ちゃんは、さながら刑事のような眼光だ。 「ううん。もう運命だと思って話しかけちゃったの! だから名前もメアドもゲット済みだよ!」 あゆちゃんのこの言葉に私はびっくりして声も出なかった。 恋愛偏差値が底辺を継続している私からしたら、到底できない。
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