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「シュン君っていうの!
若林高校の3年生なんだって!
超イケメンなんだよ~♪」
「若林…高校?」
地元が違うためこの辺りの高校に詳しくない私は、首をかしげて繰り返すとキラキラ光るネイルを弄りながら莉子ちゃんが説明してくれた。
「若林高は剣道で有名な高校で、全国大会も毎年出場してるの。
勉強のレベルも高いから、頭も良くないと入れない。」
「へぇ~…なんか、すごいね!」
文武両道?ていうのかな?
私には勉強しかないから、スポーツも出来る人は本当にすごいと思う。
「遊ばれなきゃいいけどね。
あゆみは顔ばっか見てるからいっつもポイ捨てされるのよ。」
ふんっと鼻を鳴らしながらもう知らないとばかりに携帯を弄り始めた。
二人は同じ中学出身だから、きっとお互いに過去の恋愛を知っているのだろう。
疎外感なんてものは感じないけれど、素直に羨ましいと思った。
「あたしはさ、あゆみのことなんかより姫乃の恋バナが聞きたいよ。
こんな可愛い顔してんのに今までそーゆう話聞かないし、彼氏いないし、あんた本当に女子高生か!って感じじゃない?」
メールを打ち終わったのか携帯をカバンに放り投げると、私の方に身を乗り出した。
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