誤審

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なるほど私は神様だった。 一本の腕で歓喜と絶望を作り上げる事のできる、 問答無用の野球の神様だった。 審判は野球の神様だった。 ベースボールがクリケットの時代から、神様と言われつづけた存在だった。 その理由がようやく今わかる。 納得のいかない判定だろうが、誤審だろうが、何だろうが…………… 絶対なのだ。 この右手は。 神の手なのだ。 世界一フェアである必要のある、 だが人間であるが故に完全なフェアであることのできない、 大きな矛盾を抱えてしまった、 世界一、残酷な神の手なのだーーーー
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