アイとキズナ。

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*** ―― あれから月日は流れ、俺とアイは小学六年生になっていた。 日が経つにつれ『四つ葉のクローバー』の話は頭の隅っこに押しやられつつあった。 ―― そんなある日……。 「アイ! アイ!」 俺はアイん家の前で慌ててアイを呼ぶ。 「どうしたのキズナ? あれ? また泣いてるの?」 家から出てきたアイは俺の顔を見るなり心配そうな顔をする。 「俺……。 俺……」 涙を流しながら俺は息を荒くする。 「ちょっと、落ちつきなって。 兎に角、中入って」 ただ事じゃないと思ったのかアイわ急いで俺を部屋へ連れて行った。 *** ――アイの部屋―― 「で、どうしたの?」 泣く俺をベットに座らせアイは俺を覗き込む。 「俺、引っ越す事になった」 呼吸を整え俺は話す。 「え? また突然だね……」 俺の言葉にアイは驚く。 「事業拡大がどうのって父さんは言ってたけど、俺にはよく理解できない。 大人の事情……らしい。俺……。 アイと離れたくない」 俺の目から涙がどんどん溢れてくる。 「泣かないで、キズナ。 一生会えなくなるわけじゃないんだから……」 そう言ってアイは俺の頭にそっと手をのせた。
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