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「そうだね……。
ごめん。
泣いたりして……」
ゴシゴシと涙を拭いて俺は一生懸命笑った。
「…………」
この時アイは黙って俺を見ていた。
アイの大きな瞳に何もかも見透かされているように思えた。
***
――数日後――
あれから何となく気まずくなった俺達は会話が少なくなっていた。
「キズナ君!
キズナ君!」
学校帰り俺が歩いているといきなり声をかけられた。
振り返るとそこには、アイの両親がいた。
「アイのおじさんとおばさん。
どうしたの?」
おじさんとおばさんのただならぬ表情を見て俺は驚いた。
「アイを見なかったか?」
おじさんが俺に尋ねる。
「ううん。
見てないよ。
アイ、今日学校お休みしてたけどどうかしたの?」
この日アイは学校に来てなかった。
皆勤賞なアイがいないのはかなり不自然だった。
「そう……。
担任の佐藤先生からお電話もらって、慌てて家に帰ってみたけどアイいなかったのよ」
心配そうにおばさんは言う。
「え?
アイが行方不明?!」
おばさんの言葉に更に驚く。
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