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「遠くには行ってないと思って探してるんだが……。
そろそろ警察に捜索願出した方がいいかもしれないな」
深刻そうにおじさんは言う。
「待ってて!
俺アイを探してみる!」
そう言って俺はおじさんとおばさんの元を後にした。
アイが行きそうな場所を手当たり次第探す。
クラスメート達の家。
学校の中全部。
商店街。
そして……。
「アイ!」
俺が神社行くとアイがいた。
「キズナ!」
俺の存在に気づきアイは立ち上がった。
周りはもううっすら暗くなっていた。
「アイ、探したんだぞ!
学校にも家にもいないし……。
おじさんと、おばさんも心配してたんだぞ!」
俺は頭ごなしに怒鳴る。
「ゴメンゴメン。
ちょっと遊んでたら遅くなっちゃった」
そう言ってアイは笑って誤魔化す。
「アイらしいというか……。
帰ろう、アイ」
俺はアイの手を掴む。
アイも俺の手を掴む。
ずっと外にいたせいかアイの手はすっかり冷たくなっていた。
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