アイとキズナ。

17/37

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「べ、別にそれだけの為じゃなくって……。 それはどうでもいい話で……。 四つ葉のクローバーは幸せになれるの。 だから、それ持っててよ。 お守りの代わり」 しどろもどろになりながらアイは言う。 アイの言葉を思い出す。 『四つ葉のクローバーは幸せになれるんだって』 幸せの四つ葉のクローバー。 一緒に探して見つからなかった。 でもアイは探して見つけてくれた。 一日かけてたった一人で……。 小さな女の子が一人で見つけてくれた……。 「うん! 俺、大事にする! アイがくれた大切なお守り。 アイといつか会えたらこれ見せてあげるから!!」 四つ葉のクローバーの押し花にして作った栞を握りしめ俺は叫ぶ。 近所に迷惑になろうが両親に聞こえようが俺は力の限り叫んだ。 「絶対だよ!! 約束だからね!!」 負けないくらい大きな声でアイも叫ぶ。 「うん! 約束!」 俺とアイはゆびきりをした。 そして俺とアイは別れた。 *** ――…… あれあから、月日が流れた。 思ってもなかった再会。 大人になりつつある二人。 思春期。 再会した時、感動を押し殺して挨拶程度しかしなかった。 俺の大好きなアイ。 例え性格が変わっていても、笑わなくなっていても大好きなアイには変わりない。 アイは……。 アイは俺の永遠のヒーロなんだ。 ……――
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加