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「べ、別にそれだけの為じゃなくって……。
それはどうでもいい話で……。
四つ葉のクローバーは幸せになれるの。
だから、それ持っててよ。
お守りの代わり」
しどろもどろになりながらアイは言う。
アイの言葉を思い出す。
『四つ葉のクローバーは幸せになれるんだって』
幸せの四つ葉のクローバー。
一緒に探して見つからなかった。
でもアイは探して見つけてくれた。
一日かけてたった一人で……。
小さな女の子が一人で見つけてくれた……。
「うん!
俺、大事にする!
アイがくれた大切なお守り。
アイといつか会えたらこれ見せてあげるから!!」
四つ葉のクローバーの押し花にして作った栞を握りしめ俺は叫ぶ。
近所に迷惑になろうが両親に聞こえようが俺は力の限り叫んだ。
「絶対だよ!!
約束だからね!!」
負けないくらい大きな声でアイも叫ぶ。
「うん!
約束!」
俺とアイはゆびきりをした。
そして俺とアイは別れた。
***
――……
あれあから、月日が流れた。
思ってもなかった再会。
大人になりつつある二人。
思春期。
再会した時、感動を押し殺して挨拶程度しかしなかった。
俺の大好きなアイ。
例え性格が変わっていても、笑わなくなっていても大好きなアイには変わりない。
アイは……。
アイは俺の永遠のヒーロなんだ。
……――
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